産業廃棄物はどのように処理されるのか

産業廃棄物は、なぜ一般廃棄物と区別して処理されているのでしょうか。
ゴミの量で考えると、産業廃棄物は一般廃棄物にくらべて8倍近くもあります。
そのため、処分場の容量を圧迫することが問題となっています。また、薬品や化学物質を使用していることも多いので、土壌を汚染する原因にもなっています。

このようなリスクを減らすため、ゴミを排出する事業者自身に処分の義務を負わせることで、少しでもその量を少なくしようという狙いがあるのです。
とはいえ、産業廃棄物を自己処理できる事業者はそれほど多くはありません。そこで、コストを支払って、処理業者に委託することで間接的に処分を行っているわけです。

では、具体的にはどのような形で産業廃棄物は処分されているのでしょうか。
その手順は、収集運搬と処分という2つの流れで行われます。

事業所で出た産業廃棄物は、トラックや船に収集され、そのまま処分場まで直行します。
このような収集運搬業を行うには、都道府県の知事から許可を得ている必要があります。営業所のある地域だけではなく、収集先と運搬先、それぞれの自治体で取得しなければいけません。

次に、処分は中間処理と最終処分の2つに分けられます。
中間処理というのは、産業廃棄物をできるだけ処分しやすいように行う処理のことです。

その目的は、大きく分けて3つあります。

ひとつは、毒性をなくして安全にすること。たとえば、廃酸や廃アルカリは、そのままではとても危険な物質です。
そこで、まずは中和させる処理が必要になります。

次に、廃棄物をあつかいやすく安定化させる目的があります。
これには、たとえば汚泥や燃え殻、煤じんのように形状が定まっていないものを、コンクリートで固めるといった方法などがあります。

そして最後に、廃棄物の容量そのもを少なくする減量があります。廃棄物を破砕して細かくすることが、これにあたります。
中間処理場には、焼却炉や破砕、圧縮施設などがあり、選別や薬剤処理、感想、脱水、切断といったさまざまな方法が、それぞれの目的のために用いられています。

この処分業と処理施設の設置にも、収集運搬業と同じように都道府県の知事の許可が必要になります。
そして、中間処理をほどこしたあとで廃棄物が送り込まれるのが、最終処分場です。

最終処分の方法は、基本的に土地に埋め立てるか、海洋に投棄するかの2つです。こちらもやはり、処分業と施設の設置にそれぞれ都道府県の知事の許可が必要になります。
最終処分という言葉からも分かるように、これ以上はゴミを減らしたりすることはできません。そして、埋立地は使えば使うほど、その容量が減っていくばかりです。

貴重な土地を守るために、事業主には少しでも廃棄物の量を減らす努力がもとめられているわけです。