埋立完了後も必要な最終処分場の浸出水対策

最終処分場が解決しなければいけない問題のひとつに、浸出水の処理があります。
屋外の最終処分場では、雨水が廃棄物に染み込むことで、その有害成分が溶け出して水が汚染されることがあります。

有害成分のもととなるものには、まだ可燃物としてあつかわれていなかった時代に埋め立てられた有機ごみや、
産業廃棄物にふくまれる重金属。ほかにも、まだ高温で焼却が行われていなかったためにダイオキシンが生じた灰などがあります。

このような有害成分に汚染された水のことを、浸出水と呼んでいます。浸出水が地下に染み込んでいくと、土壌や地下水の汚染にもつながってしまいます。

このような汚染対策として、最終処分場では遮水シートで雨の浸透を防ぐ、集めた浸出水を処理施設で安全に戻してから排出する、といった処理を行っています。

浸出水は、埋め立てを行っている最中はもちろん、すでに埋め立て完了した最終処分場からも流出する可能性があります。
そのため、施設を閉鎖したあとも長期間にわたって維持管理を行っていく必要があります。

水質が有機汚染物質やアンモニアなどの基準をクリアするまでは、モニタリングや浸出水処理をずっと続けていかなければならないのです。
そのスパンは、数十年にわたる場合もあります。

時間だけではありません。維持管理にかかるコストは年間で1億円以上となることがほとんどなので、コストも莫大なものとなってしまいます。
また、埋立を行っているときに得られた利益も、このあいだはいっさい入ってきません。

このような負担は、業者だけにかかってくるものではありません。最終的に跡地が安定化するまでは、地域住民にとっても安心できない日々が続くことになってしまうのです。
実際に、業者が倒産したために、維持管理が行われなくなるといったケースもあったほどでした。

それを防ぐために、現在では埋立期間中から費用を積み立てておく、維持管理積立金制度もできています。
いずれにしても、維持管理は短くなるに越したことはありません。

そこで、現在では安定化するまでの期間をより短くするために、さまざまな研究や技術の開発も進められるようになっています。

たとえば、埋立地というのは基本的に空気が入りにくい環境のため、嫌気性微生物によってメタンガスや硫化水素といった悪影響をおよぼすガスが発生しがちです。
そこで、通気性をよくして、よりスピーディーに分解を行う好気性微生物を増やす、といった研究も行われています。

ほかにも、廃棄物を洗浄することで汚染自体を防ごうという技術もあります。
地域住民に快く受け入れてもらい、ごみ処理を安定させていくには、こういった努力も欠かせません。